マンガラ・スッタの引用(覚書)

上座部仏教での在家者の実践徳目をゴータマ・ブッダが解いたとされるもの。パリー仏典からの抜粋。

 

論理的には、出家者として修行しなければ解脱はしない(つまり輪廻の苦しみはある)が、徳を積むなりして幸福になりなさいということか。ただし、タンブンをして徳を積めば、来世でよりよく生きられるという論理はない。

 

 5 マンガラ・スッタ(吉祥経)

1. このように、わたしは聞きました。或る時のことです。世尊は、サーヴァッティ(舎衛城)に住しておられます。ジェータ林のアナータピンディカ〔長者〕の園地(祇園精舎)において。そこで、まさに、或るどこかの天神が、夜が更けると、見事な色艶となり、全面あまねくジェータ林を照らして、世尊のおられるところに、そこへと近づいて行きました。近づいて行って、世尊を敬拝して、一方“かたわら”に立ちました。一方に立った、まさに、その天神は、世尊に、詩偈をもって語りかけました。

2. 〔天神が尋ねた〕「多くの天〔の神々〕たち、および、〔多くの〕人間たちは、諸々の幸福を思い考えてきました。安穏〔の境地〕を〔常に〕望んでいる者たちです。〔彼らのために〕最上の幸福を説いてください」〔と〕。

3. 〔世尊は答えた〕「しかして、愚者たちと慣れ親しまないこと、かつまた、賢者たちと慣れ親しむこと、さらには、供養されるべき者たちへの供養――これが、最上の幸福です。

4. しかして、適切な地に住むこと、さらには、過去(過去世)に作り為された功徳あること、かつまた、自己についての正しい誓願――これが、最上の幸福です。

5. しかして、多聞“たもん”(博識)、かつまた、技能(手の器用さ)、さらには、善く学ばれた律(規律)、かつまた、およそ、言葉であるなら、見事に語られたもの(虚偽のない真実の言葉)――これが、最上の幸福です。

6. 母と父に奉仕すること、子と妻を愛護すること、さらには、諸々の生業“なりわい”が混乱なきこと――これが、最上の幸福です。

7. しかして、布施、かつまた、法(教え)の行ない、さらには、親族たちを愛護すること、罪過なき諸々の行為(業)――これが、最上の幸福です。

8. 悪から離れること、〔悪から〕去ること、さらには、〔人を〕酔わせる飲み物(酒)からの自制、かつまた、諸々の法(事物)にたいし〔気づきを〕怠らないこと(不放逸)――これが、最上の幸福です。

9. しかして、尊重、かつまた、謙譲、さらには、知足、知恩たること、〔しかるべき〕時に法(教え)を聞くこと――これが、最上の幸福です。

10. しかして、忍耐、素直であること、さらには、沙門たちと相見“まみ”えること、〔しかるべき〕時に法(教え)を論じること――これが、最上の幸福です。

11. しかして、苦行、かつまた、梵行(禁欲清浄行)、〔四つの〕聖なる真理(四聖諦)を見ること、さらには、涅槃〔の境処〕を実証すること――これが、最上の幸福です。

12. 世の諸々の法(事物)に触れたとして、彼の心が、動かず、憂いなく、〔世俗の〕塵を離れ、平安であるなら――これが、最上の幸福です。

13. これらのようなことを為して、一切所において敗者とならず、一切所において安穏〔の境地〕へと赴く――それが、彼らにとって、最上の幸福です」〔と〕。ということで

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